外出先の「充電切れ」が怖くて、モバイルバッテリーが手放せない。そんな方は、きっと多いはずです。便利な一方で、モバイルバッテリーは、使い方や状態によっては、発火のおそれがある製品でもあります。
結論から言うと、選ぶときは「PSEマークの表示」「容量の目安」「メーカーのサポート」を確認し、使うときは「熱・衝撃・膨張」に注意することが、安全に使い続けるポイントです。この記事では、選び方、安全な使い方、廃棄の注意点を整理します。(※この記事は2026年10月現在の情報です。)
まず知っておきたいポイント
- 購入するときは、PSEマーク(電気用品安全法に関わる表示)が付いているものを選ぶ
- 熱い場所に置かない・強い衝撃を与えない・膨らんだら使わない
- 長く使ったものは、買い替えを検討する
- 捨てるときは、自治体の指示に従う(不適切な廃棄による火災が起きています)
- 飛行機に持ち込むときは、新しいルールを確認する
なぜ、安全に気をつける必要があるの?
モバイルバッテリーに使われているリチウムイオン電池は、衝撃や熱、劣化などが原因で、発熱や発火につながることがあります。
業界団体のモバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)が2026年4月に発表した資料では、東京消防庁が把握した、モバイルバッテリーが原因の火災件数は、平成29年の11件から、令和6年には77件に増えたとされています。直近は、過去最多の水準だと説明されています。
神奈川県の消費生活の注意喚起でも、充電中に爆発・発火した事例が紹介され、熱い場所に置かない、強い衝撃を与えない、といった注意点が挙げられています。
失敗しない選び方
① PSEマークがあるか
モバイルバッテリーには、電気用品安全法に基づく表示(PSEマーク)が必要とされています。PSEマークなどの表示がないものは、安全性が確認できていない可能性があります。通販サイトや、フリマアプリで買うときは、製品本体やパッケージに表示があるかを確認しましょう。
② 容量は「使い方」から選ぶ
容量は、mAh(ミリアンペアアワー)で表示されます。スマホ本体の電池は、機種にもよりますが、おおむね3,000〜5,000mAh程度が多いです。充電するときには、ロスが出るため、実際に充電できる回数は、表示の容量から計算した回数より少なくなります。目安として、次のように考えます。
| 使い方 | 容量の目安 |
|---|---|
| 外出先で、緊急用に1回分 | 5,000mAh前後 |
| 1日の外出で、1〜2回充電したい | 10,000mAh前後 |
| 旅行や、複数の機器を充電したい | 20,000mAh前後 |
容量が大きいほど、重く、大きくなります。毎日持ち歩く人は、重さも大切な選択基準です。また、飛行機に乗る予定がある方は、容量の上限にも注意が必要です(下記の記事を参照)。
③ ケーブル・接続の規格を確認する
スマホの充電口(USB-CやLightningなど)と、バッテリーの出力端子が合っているか。急速充電に対応したい場合は、対応する規格も確認しましょう。
④ メーカーのサポートがあるか
MCPCは、モバイルバッテリーの製造品質や、アフターサービス体制(問い合わせ窓口の有無など)に関する業界のガイドラインを、2026年4月に発表しています。問い合わせ窓口や、保証・回収の案内がしっかりしているメーカーかどうかも、選ぶときの目安になります。
発火・膨張を防ぐ、安全な使い方
- 熱い場所に置かない:夏の車内、直射日光の当たる場所、暖房器具のそばは避けます。
- 強い衝撃を与えない:落とした後は、外見に傷がなくても、様子を見ます。
- 充電中は、燃えやすい物の上に置かない:布団やソファの上などは避けます。
- 膨らんだら、使うのをやめる:ケースが盛り上がる、反ってくる、ふたが浮く、といった変化は、危険なサインです。
- 熱い・においがする・変形している場合は、すぐ使用をやめる
- 長く使ったものは、買い替えを検討する:使用期限の目安は、メーカーのサイトで確認します。
- 回収対象になっていないか確認する:メーカーなどが回収を実施している場合があります。
捨てるときの注意
膨らんだモバイルバッテリーは、危険なので、適切に処分します。自治体が指定する方法に従って捨ててください。ゴミとして出された、リチウムイオン電池が原因で、清掃工場や清掃車で発火する事故も起きています。回収ボックスがある店舗や、自治体の回収日、メーカーの回収サービスなど、お住まいの地域のルールを確認しましょう。
飛行機に持ち込むときは?
2026年4月24日から、機内でのモバイルバッテリーのルールが変わりました。持ち込みは「1人2個まで」、機内での充電・使用は全面禁止です。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
→ 飛行機でのモバイルバッテリー、2026年4月24日からのルール
「手放せない」のは、スマホ本体のバッテリーが弱っているせいかも
モバイルバッテリーが手放せない理由が、「そもそも、スマホ本体の電池がもたないから」という方もいます。本体のバッテリーが劣化していると、モバイルバッテリーに頼る回数が増え、負担も大きくなります。最大容量が80%を下回っていたり、急に電源が落ちたりするなら、本体のバッテリー交換で、持ち歩く荷物が減るかもしれません。
→ スマホのバッテリー交換はいつ?目安・依頼先・事前準備
→ 「80%ストップ」でスマホを長持ちさせる方法
災害時の備えとしては、災害時のスマホの充電と通信もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. モバイルバッテリーの寿命は、どのくらい?
使い方や製品で変わります。メーカーの案内を確認し、膨らみ・発熱・充電できる量の低下などがあれば、買い替えを検討してください。
Q. PSEマークがあれば、絶対に安全ですか?
PSEマークは、安全のための一つの基準ですが、事故がゼロになることを保証するものではありません。使い方や劣化にも、注意が必要です。
Q. 夜、寝ている間に充電しても大丈夫?
できれば、目の届く場所で、燃えやすい物から離して充電することをおすすめします。熱がこもる場所では、避けましょう。
Q. 古いモバイルバッテリーは、どこに捨てればいい?
自治体のルールや、回収ボックス、メーカーの回収サービスなどを確認してください。燃えるゴミ、不燃ゴミに、そのまま出さないでください。
まとめ
モバイルバッテリーは、選ぶときは「PSEマーク」「容量」「サポート」、使うときは「熱・衝撃・膨張」に注意します。捨てるときは、自治体のルールに従いましょう。持ち歩く機会が多い方は、スマホ本体のバッテリーの状態も、あわせて見直してみてください。
参考・出典
スマホのバッテリーや充電の悩みは、まちのスマホコンシェルジュでもご相談いただけます。
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